今やブレイクダンスはTVでも放送されており、一般的にも知らない人はいないくらいメジャーなダンスとなっています。
一般的にブレイクダンスというと派手でアクロバティックなダンスというイメージが強いかと思いますが、実はそこには奥深い歴史があります。
歴史を知っているのと知らないのではブレイクダンスのステップに対する重みも変わってくるため、今回はブレイクダンスの歴史や起源について紹介していきます。
1.ブレイクダンスとはヒップホップの要素の一つ
ヒップホップというと、ラップの音楽だったり、ダボダボのファッションを着て踊るダンスというイメージを持っている方が多いかもしれません。
日本では、曲やダンスのジャンルとしてヒップホップが存在しているため、そのようなイメージが着くのは仕方がないことです。
しかし、ヒップホップというのは何かしらのジャンルではなく文化の一つなのです。
そしてヒップホップを構成する要素の一つにブレイクダンスが存在します。
日本の上方文化の中に能や狂言があるようなイメージです。
1.ヒップホップの構成要素とは
ヒップホップは1970年代のニューヨークサウスブロンクス地区発祥の文化で、主に四つの要素から構成されています。
それは「DJ」「グラフィティ」「ブレイクダンス」「MC」です。
当時、サウスブロンクスはアフリカ系のアメリカ人が多く住む貧困街でした。
そこの若者たちはクラブにいって遊ぶお金がなかったため、ターンテーブルを使って曲を流し、それに合わせてダンスを踊り、ラップを披露し、街に絵を描いていきました。
この貧困の若者たちの遊びが文化となっているのです。
1.ブレイクダンスの歴史
では、この若者たちの間で発展していったブレイクダンスはどこから来たのでしょうか。
そもそも、ブレイクダンスとは正式にはB-BOYINGと呼ばれており、当時のカリスマDJ「Kool Herk」によって名付けられました。
このBはBreakの頭文字であり、壊すという意味ではなく間奏という意味です。
曲と曲の間奏部分であるビートが強く盛り上がるパートで、激しく踊るダンスというのがブレイクダンスの本当の意味です。
1.ブレイクダンスの起源
この間奏部分で踊る激しいダンスダンスにも由来があります。
それが、ブレイクダンスの前身でもある「Good foot」というダンスです。
このGood footはジェームスブラウンのレコード「Good Foot」から来ており、当時TVで出演していたジェームスブラウンの激しいダンスを見て憧れた若者たちによって確立されたダンスです。
このGood footにはパワームーブのような動きは存在しないため、ブレイクダンスも初めはフットワークがメインのダンスでした。
しかし、若い黒人の間で流行したブレイクダンスも1977年ごろから人気が衰退していきました。
そんな中、Rock Steady CrewのCrazy Legsなどのプエルトリコ系のBBOYがバックスピンやウィンドミルなどのさらにレベルアップした新しい技を加え、再度ブレイクダンス熱は加速します。
また、同時代にブルースリーなどのカンフー映画が流行したことで、ブレイクダンスの中にアクロバットの動きというのが取り入れられるようになりました。
その後、ブレイクダンスをテーマにした映画がいくつも作られ、ブレイクダンスの盛り上がりは最長に達します。
日本にブレイクダンスが入って来たのも、この映画による影響が大きいです。
2.バトルとしてのブレイクダンス
ブレイクダンスの歴史を調べると、必ずギャングが抗争の代わりにブレイクダンスを始めたのがきっかけとなったという情報が見つかるかと思います。
諸説ありますが、実際にブレイクダンスはギャングの抗争で殺し合いの代わりに用いられています。
これはサウスブロンクスで起こっていたことなのですが、当時の若者は貧困層が多いため、強盗を行い、ドラッグを売りさばくことで稼いでいました。
そのドラッグの売りさばきにおいて利害が対立した時に起こっていた抗争に取って代わったのです。
当時は完全に抗争に取って代わったかというとそうではありませんが、長い年月をかけてブレイクダンスはギャングの抗争に取って代わるものになっていきました。
ブレイクダンスの歴史は非常に奥が深く、発祥も諸説あります。
もっと詳しく知りたい方は、日本語よりも英語で検索するとよりたくさんの情報を見つけることができます。
こういった歴史を知ることによって、ダンスの動きはより深みを増すので、ぜひ参考にしてみてください。