ブレイクダンスのパワームーブの中には、いろいろな種類がありますが、今回紹介するクリケットはハンド系と呼ばれる手を軸にして体をグライドさせる技です。
ハンド系の中では、基礎になる技であり、慣れてくるとクリケットをワンハンドで行うジャックハンマーなどの大技に派生させることができます。
今回はクリケットの練習方法について解説していきます。
1.クリケットの踊り方
まずは、クリケットがどのような技かということについてですが、軸手で体を支えながら、逆側の手で地面を漕ぐことによって、軸手を中心にグライドする技です。
クリケットは段階を踏んで練習することで効率良く習得することができるので、その手順をご紹介します。
1.まずは人型チェアから
クリケットを習得するための最初のステップとして、チェアよりも体が真下を向く形になり片手で体を支える人型チェアの練習をするのが良いでしょう。
これは、グライドをするためには静止している状態ができるようになる必要があるからです。
初めのうちは、両手でも構いませんが、慣れて来たら徐々に軸手にかける体重の割合を増やしていき、最終的には片手でできるようにしましょう。
2.ゆっくりとグライドする
ブレイクダンスではよくグライドというワードが出てきますが、これはある一点を軸にして回転する動きのことを言います。
クリケットの場合は軸手を中心にグライドしていきます。
回転するためのエネルギーは、軸手ではない方の手を使って地面を漕ぐことで発生させます。
まずは足をついても構わないので、人型チェアの状態で地面を漕いでみましょう。
少し回転すると、軸手の関節の限界がくると思います。
そこで、地面を押す力と足のバネを使って跳ねた瞬間に、限界まできている関節を元に戻します。
これを繰り返すことによってクリケットで回り続けることができます。
初めのうちは足がつくことを気にせずにゆっくりとグライドして、関節の限界が来たら跳ねて関節を戻すという動きを繰り返し練習してください。
3.徐々にグライドの速度を上げていく
ゆっくりと足をつかずにグライドができるようになったら、あとはスピードを上げていくだけです。
スピードが上がってくると全身に遠心力がかかり、体がまっすぐに伸びるような方向にエネルギーが発生するようになります。
イメージとしてはピザ職人が指の上で生地をくるくると回すときの生地にかかっているエネルギーですが、この感覚が掴めてくると足の蹴りや地面を押す力を最小限にして跳ねることができるようになってきます。
また、ジャックハンマーなどの応用技はこのエネルギーを使わないと連発することができません。
クリケットの場合は両手で行う技なので、力技で回ることも可能です。
しかしブレイクダンスでは、技の練習の中で新しく遠心力の使い方や加速するためのコツを感覚として身につけることによって、よりクオリティの高いムーブに発展して行きます。
ぜひ力任せで回るのではなく感覚を掴むということを意識して練習し、質の高いクリケットを習得してください。